トータル的な看護が経験できる小児科の話

看護師が希望する診療科として人気のあるものに小児科がある。
「子供と接するのが好き」という理由から、小児科での勤務を志望する看護師は多いようだ。

小児科で働く利点の一つは、自らの医療処置スキルを高められることだろう。
例えば、大人用の医療器具と比較して、子供用の器具はサイズが小さく、大人用より細かく操作する必要がある。
そのため、子供用医療器具を使って処置を行っていると、自然と医療器具を取り扱うスキルが上がっていくのだ。

また、小児科勤務の看護師は、疾患に関する幅広い知識と対処法が身につく点もメリットである。
なぜなら、疾患や臓器の種類ではなく、子供の年齢で分類する小児科では、多種多様な疾患の患者が訪れるからだ。
心臓病やアレルギー、精神障害や骨折など、扱う疾病も様々だ。
大規模な小児科専門病院では、30以上もの診療科を設けている病院も存在するようだ。
成人なら別々の診療科で診察を受けるような疾患を持つ患者も、子供の場合は小児科の一箇所に集まってくるのだ。

さらに、小児科には15歳くらいまでの子供達が受診する。
同じ疾患だとしても、年齢によって対処法が同じとは限らない。
そのため、「看護師としてのスキルを上げたい」と考えている看護師には、小児科はおすすめなのだ。

なお、小児科では、一般の病棟では考えられないような予想外のアクシデントが起こりやすい。
治療中の子供が点滴を自分で外してしまったり、転倒してしまうなど、気が抜けない場面もある。
このような環境の小児科で働くことができると、観察力や対応力が磨かれるため、柔軟な対応できる能力が身につくはずだ。